目次
はじめに
ランドクルーザーシリーズといえば、中古車市場価格が下がりにくい(リセールバリューが高い)ことで非常に有名です。したがって中古車市場において、高年式・高走行距離の車両が意外と高値で取引されていることも珍しくありません。
8月末時点での150系ランクルプラドの中古車市場の状況を調べてみましたので、紹介していこうと思います。
これの記事を読めば、
- 150プラドの流通量
- 150プラド中古車の平均価格
- ガソリン/ディーゼル仕様の価格差
などがよく分かると思います。
定期的にこれらのデータの推移を記事にしていこうと思いますので、中古車相場の推移がわかるような情報を皆さんにお伝えできれば良いなと考えています。
前提/検証方法
調査方法は、中古車販売大手のカーセンサーさんのHPで、ランドクルーザー プラド150(2009年〜)の中古車情報を調べました。ですのでカーセンサーに掲載されていない中古車情報に関しては、今回の記事では載せていません。GooネットのHPも調べたのですが、なぜかガソリン車のプラドの販売台数がやけに少なく、市場平均の代表とするには個体数が少ないと考えましたので、カーセンサーのサイトを参考にしました。
主な調査項目としては、
- 150プラドの中古車台数
- 価格幅
- ガソリン/ディーゼルの価格差
これらについて調べてみました。なお、価格は車両本体価格で、税・諸費用は含みません。
プラド中古車市場全体感
調査結果を表にまとめたものがこちらになります。
これらのデータをもとに、プラドの中古車市場について考察してみます。
150プラド中古車販売台数について
販売台数の総数は1126台と大きな変化はありませんでした。なかなかの台数がありました。
また、ガソリン:ディーゼル=738台:388台と全体に台数が減りました。また、比率に関しては引き続きガソリン車が多い傾向です。
150プラドは2009年発売の前期仕様ではまだディーゼル仕様車はラインナップされておらず、2015年に入って中期型からカタログラインナップされる様になりましたので、販売期間がそもそも短いことが影響していると考えられます。
また車両価格もガソリン車よりディーゼルが67万円も高いので、これらの理由からディーゼルほうが個体数が少ない状態となっていると考えられます。
ですので、値段も高く販売期間も短いディーゼル車の方が今後も個体数は少ない状態が続くと考えられますね。これが希少価値となるかどうかは今後の動向に注目です。
これからの推移が楽しみですね!!
150プラド中古車価格について
中古車市場全体平均価格は388.6万円と引き続きなかなかの高値で推移しています。平均走行距離2万キロオーバーでこの価格ですので、やはりプラドは人気車種であると伺えますね。
最安値の個体
最安のもので169万円。こちらは前期(2009年式)TX・5人乗り・ガソリン車・走行距離13万キロ・ルーフレール付きのもので、先月の調査時と同様の個体でした。修復歴はなく、ワンオーナー・禁煙車でしたので、走行距離・年式の中では比較的状態の良い個体と言えるでしょう。これらの条件次第では、もう少し安い個体が出てきても不思議ではありませんね。
最高値の個体
こちらも696万円の個体で、先月紹介したモデルと同様です。主な仕様としては、後期(2019年式)、TZ-G(最上級グレード)、ディーゼル、7人乗り、モデリスタフルエアロ、モデリスタ電動ウイングデッキ(ステップ)、メーカーオプションナビ、電動ムーンルーフ、パノラマビューモニター、クリアランスソナー、寒冷地仕様と、思いつく限りのフルオプションを搭載した仕様でしたね。また、走行距離も3000kmと非常に少なく修復歴なし・禁煙車でした。ただし内装色はブラックでしたので、これがきれいな状態のベージュ内装で、さらに2020年モデルだったりしたら700万円超え!!もあるかも知れませんね。
これ以上無い好条件の仕様でしたので、納得のお値段とも言えますね(笑)
やはり、メーカー純正のオプションや、トヨタ直系のチューナー(TRD・モデリスタ)のパーツは高く評価されるみたいです。
やはり巷で言われる、電動ムーンルーフ、メーカーオプションナビ、ルーフレールが買取相場でも人気というのは、こちらの傾向からもあながち嘘ではなさそうですね。
150プラド ガソリン車とディーゼル車について
先にも触れましたが、販売台数としては販売期間・価格の差もあってガソリン車が多く流通しているようです。しかし価格帯を見てみますと
ガソリン:169万〜598万円
ディーゼル:266万〜696万円
と、ガソリン/ディーゼル間で約100万円〜80万円の差があり、当然ながらディーゼル車の方が高値で取引されているようです。
高値圏の個体
ガソリン車最高値のモデル 《入れ替わりあり!》
ディーゼル車は先程取り上げた最高値の個体でしたが、ガソリン車最高値のモデルは入れ替わりが合ったみたいです。
とはいえ、車両価格は598.0万円と先月提示したガソリン最高値モデルとほぼ同価格で、仕様も後期(2021年式)、TX-Lパッケージ、 ガソリン、本皮ベージュ内装、7人乗り、メーカーオプションナビ、モデリスタフルエアロ、19インチホイール(純正)とこれまた非常に贅沢な仕様のものでした。
先の696万のディ−ゼル最高値のモデルとの価格差は100万円です。
内容的な差を比べてみましょう。エンジン以外の部分を比べてみると、走行距離は誤差範囲で、ガソリン車の方がむしろ少なく、年式は2年新しいモデルでしたので、ガソリン車に有利な条件でした。
逆にこちら(ガソリン車)の先のディーゼル最高値個体に対して不利なポイントとしては、
グレード:TX-L↔TZ-G(電子制御式リアサスペンション、ドライブモードセレクト、パドルシフトで50万円高)
純正ナビの差(TZ-Gはマルチテレインセレクト、クロールコントロール付きで7万円高)
クールボックス(約6万円)なし、
クリアランスソナー(約4万円)なし
先程のディーゼル最高値のモデルは約60万円分のオプション・グレードによるアドバンテージがあると考えることが出来ます。しかしその差を埋めても約40万円(=車体価格差100万円ーグレードによる差60万円)の差があるということで、やはりディーゼルの付加価値は定年式の高値圏においてはしっかりと評価されているみたいですね!
安値圏での比較
先程の値幅部分でガソリンとディーゼルの価格差について少し触れていますが、実は150プラドの前期(初期)にはディーゼルモデルがラインナップされていません。従ってガソリン最安値の個体はほぼほぼ2009年式であるのに対し、ディーゼルでは最も高年式でも中期(2015年式〜)以降ということになり、単純に最安値の個体同士の比較は出来ないということに気が付きました。
従って中期(2016年式)での安値個体同士で価格比較を今回も行ってみたいと思います。
ディーゼル最安値の個体(2016年式) 《入れ替わりあり!》
こちらが150プラドディーゼル中期2016年式最安値の個体でした。入れ替わりありですね。
走行距離6.3万km、修復歴なし、ディーラーオプションナビ、バックカメラ装着のモデルです。最低限の装備はついている思います。
グレードはTX(ベースグレード)5人乗りでブラック内装の個体で、サンルーフ・ルーフレールは非装着でした。
大きな汚れ・傷などもなく、285万円というお値段でした。
ガソリン最安値の個体(2016年式) 《入れ替わりあり!》
そしてこちらのガソリンモデル(2016年式)が269.8万円で、走行距離は3.8万km、内装色が黒、トヨタ認定中古車で社外ナビありでした。
こちらもサンルーフ/ルーフレールは装着されていませんでした。
ほとんど同条件の2台ですが、今回はディーゼル・ガソリンの間に20万円程価格差がありました!
高年式(5年落ち)ではほとんどディーゼルエンジン車であることの付加価値はあまり無いかもという仮説を先月立てたのですが、今月の結果ではディーゼルに多少優位性があるような結果となりました。
ランドクルーザー/ランドクルーザープラドは、国内人気もさることながら、海外での需要が非常に高いことで知られています。そして、海外への輸出需要は発売から5年以内のモデルに特に集中しているとのことです。
従って、150プラドのディーゼルモデルは、古くても5年以内のものばかりですので、海外需要を考慮に入れると、ディーゼルのアドバンテージ(日本国内は軽油が税制優遇で安い)があまりないのかも知れません。
中東などガソリンが水よりも安い国への輸出も多い車ですので、、、
より高年式車両の多い旧型の120プラドにおいては、ディーゼルエンジンは比較的高値を維持しており、ガソリン車に比べて少なくとも40万円程高値傾向にあります。
120プラド版はこちら→150系ランドクルーザープラド中古車市場調査 8月編
現行の150プラドのディーゼル車に搭載される1GD-FTVエンジンはトヨタの世界戦略として世界展開するために肝入り開発を行われた非常に高耐久・低燃費の高性能エンジンだと思います。より高効率化を図るためにタービンの可変機構を搭載し、シリンダー表面の高断熱皮膜や燃料噴射装置の改良も含め、大幅な改良が施されています。また、120プラド搭載の1KD型エンジンではカム駆動にタイミングベルトを使用していましたが、1GDになってからはタイミングチェーンを採用していますので、昔で言う10年縛りからは開放されており、さらなるエンジン長寿命も望めると信じています。(昔はエンジン内のタイミングベルトが10年で劣化するためエンジン内部の大掛かりな整備を行うことが多く、10年で買い替えをすすめるというのが定説でした。)
触媒機構の複雑化、尿素SCRによるランニングコストの上昇は多少あるのかも知れませんが、エンジンそのものの性能は間違いなく高性能化していると言えるでしょう。
今後、さらに150プラドが高年式化していく中で、ディーゼル車とガソリン車の中古車販売価格差がどのように変化していくのか、非常に興味深いです。これからの動向を楽しみしていてくださいね!
まとめ
2021年8月末時点での150プラドの中古車市場の価格、流通台数を調べてみました。
全体のまとめとしては、
- まだまだランクルプラド150の在庫は豊富
- 高値圏においてはディーゼル車はガソリン車に比べて80万円〜100万円高い
- 安値圏では20万円くらいディーゼルが高値?
このような結果が言えますね。
やはり目下の注目ポイントは安値圏でのディーゼルとガソリンの価格差です。
輸出需要からの影響がどの様に今後価格に反映されてくるのかには引き続き注目していきたいと思います。
しかしながら先に述べたように、5年以上経過した場合、海外への輸出需要が少なくなる可能性があり、その場合はディーゼルエンジンの高耐久・低燃費性、そして個体数が少ないゆえの希少性が効いて、再度ディーゼル車の方が価格が高くなってくる可能性も考えられます。
今後もプラド乗りとしては目が離せません。また、プラド購入を検討している人にとってもなかなか興味深い内容だと思います。
今後の動向の注目点としては、
- 流通量の変動:現行販売中は横ばい〜増加と思われるが、そのうち減少してくるか?
- ディーゼルとガソリン車の価格差の変化:5年以上の高年式車ではディーゼルの価値が上がるかも??
- ディーゼルとガソリン車の流通量比較:ディーゼルは長寿命と思われるが、流通量の減少量に差はあるのか?
これらのポイントに注目して今後も定点観測を続けていきたいと思います。
また、2020年式のディーゼル乗りとしましては、2020年一部改良が行われたディーゼルエンジンはなかなか魅力的な性能向上だと思いますので、この改良が中古車価格にどのような差としてあらわれてくるのか、とても興味があります。これについても今後5年・10年と長い目で見ていかなければわからないことでしょう。プラド乗りとしては気長に見ていきたいものです。
これからも、プラド好きの方にとって有用な情報を発信していきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。
最後まで読んでいただきありがとうございました!