先日気分良く愛車86を乗り回しているときのことです。
下りのブレーキングで、
「ヒィィィーーーー、ヒィーーーー、、」
ブレーキングのたびにリア周りから金属のこすれるような異音が聞こえます。
これは、、、、
そろそろパッドが(減って)きたかな、、
というわけで久々にブレーキパッド交換です。
ある程度道具もあるし、コロナで出掛けにくいってのもありますので、今回はDIYでやろうと思います。
思い返せばDIYブレーキパッド交換はヴィッツ時代にしかやったことないので、片押し式しか交換経験ありません。
原理は似たようなものですが、愛機86には自慢のBrembo(ブレンボ)製キャリパーが装着されていますので、作業手順の確認からやっていこうと思います。
初心者向けに、細かい手順を網羅的に確認していきたいと思います。
目次
車両情報
まずは車両情報から確認していきます。
車種:TOYOTA 86 kouki
型式:DBA-ZN6
グレード:GT limited High performance package
年式:2017年式
トランスミッション:6速MT
ポイントは、ハイパフォーマンスパッケージに装着される、Brembo製の対向式キャリパーが前後に装着されていることです。
フロントは4POT、リアは2POTと、この車格に対しては過不足のないスペックかと思います。
色付きの対向式キャリパーにずっと憧れていたので、すごく気に入っています。
発売当初はこのブレーキ故にホイール適合が難しかったり、パッド形状がわからなかったりして、何かと不便だったものですが、その後登場したBlack packageとかにも同ブレーキが装着されているので、最近では十分適合情報なども揃って来ました。
探せば純正・社外ともに様々なパッドが選べるので、今回は折角なのでなにか社外品を使って見たいと考えています。
使用物品(工具類)
パッド選びは別記事でご紹介するとして、この車のブレーキパッド交換に必要な工具類を確認していきます。
- ・ジャッキ
- ・スロープ
- ・ウマ(リジットラック)
- ・ニトリル手袋
- ・クロスレンチ(ホイール脱着用)
- ・トルクレンチ(1/2差込角)
- ・オイラー
- ・ウエス
- ・パーツクリーナー
- ・ブレーキピストン戻し
- ・ピンポンチ
- ・プライヤー
- ・ブレーキグリス
- ・新品ブレーキパッド
こんなところでしょう。
これだけあれば、多くの車両のブレーキパッド交換は可能と思います。
片押し式のブレーキキャリパーの場合は、ピンポンチ/プライヤーは不要かな?
86のような低床車でなければ、ジャッキが入るのであればスロープも不要かと思います。
個人的に使っている商品は下記にリンクを貼っておきます。よかったら参考にしてみてください。
ジャッキ
私はアストロプロダクツで購入しました。
低床車用ですがそれでも86には入りませんでした。
入ったとしても、中央のジャッキアップポイントが比較的奥なので、
比較的に大きいタイプのほうが、レバー比的には力が要らないし、安定しているので、こういうタイプが好みです。
スロープ
上記事情のためこの車では必須かと。
ウマ(リジットラック)
足回り作業にはやはりこれも必需品です。
ジャッキアップポイントが線状の細いタイプですので、それ用のアタッチメントもあるといいかもしれません。
ニトリル手袋
ブレーキフルードはあまり皮膚にも金属にも優しくない性質ですので、ニトリルタイプの手袋が望ましいと思います。
クロスレンチ(ホイール脱着用)
車載のL字レンチでも構いませんが、やはり作業は早いです。
トルクレンチ(1/2差込角)
ホイールナットの締め付けトルクは、やはり大切です。
手締めは怖くてとても、、、
オイラー
作業開始時にブレーキフルードを抜き取るために使用します。
あまり大容量である必要はありません。
小さめで取扱いやすいものを選びましょう。
ウエス
ブレーキフルードのタンク周りの保護や、ブレーキ周りの古いグリスなどを清掃する際にも用います。ある程度は用途ごとに使い分けたいので、余分に持っておきたいです。
複数枚あるといいですね。
パーツクリーナー
何でもいいです。逆さ向け噴射にも対応する必要もないですし、安いのでいいんじゃないですかね。
ブレーキピストン戻し
これもアストロプロダクツ製でやってます。
高いものを使う必要はないとは思いますが、やはり何かで代用ってわけには行かないでしょうね。
ピンポンチ
スライドピンを打ち抜くために使います。
個人的には今回新たに用意した物のため非常に期待していますが、細軸ドライバーなどの代用はなんとかできそうな気もします。。
プライヤー
スライドピンの固定クリップの引き抜きなどで使用します。
あまり把持力の弱いタイプだと、曲がるかも?
ブレーキグリス
WAKO’SのSGにしました。
ブレンボ純正なんかは、パッドにシム用グリスが付属していますが、プロμはパッドのみですので、別で用意する必要があります。
新品ブレーキパッド
今回はプロジェクトμのTYPE PSというストリート〜スポーツくらいのパッドにしました。ブレーキダストが少し軽くなるといいなぁ。
作業内容(予定)
実際の手順のおさらいです。
- ジャッキアップ/リジッドラック懸架
- ブレーキフルード抜き取り/リザーバータンク周囲のタオル保護
- ホイールを外す
- スライドピンを引き抜く
- ブレーキパッド/パッドシム取り出し
- ピストン戻し
- 清掃/グリスアップ
- 新品ブレーキパッド/シム挿入
- スライドピン挿入
- ホイール装着
- ジャッキダウン
- ブレーキフルード残量確認
- ブレーキ作動確認
こんなところでしょうか。
作業前の手順確認ですので、写真はありませんが、この手順で行こうと思います。
各項目毎に見ていきますと、
ジャッキアップ/リジッドラック懸架
使用物品
・スロープ
・ジャッキ
・リジッドラック
・輪止め
作業
作業する両輪(フロントorリア)を浮かすために、ジャッキアップします。
86の場合は低いので、通常のジャッキが入りません。または入ったところでレバーアクションを行うクリアランスがありません。
したがってジャッキ用のスロープが必要になることがほとんどでしょう。
平坦な場所に車両を駐車して、スロープを設置します。
スロープに乗ったら、ジャッキを挿入し、中央のジャッキアップポイントにジャッキを掛けて車をジャッキアップします。
十分持ち上がったら、ウマを掛けます。
サイドのジャッキアップポイントはこの切り欠きがある部分になります。
線状のポイントですので、その形状にあったリジッドラックパッドがあるならそれに越したことはありません。
今回これも用意してみました。
十分安定したのを確認したら、この工程は完了でしょう。
ブレーキフルード抜き取り/リザーバータンク周囲のタオル保護
使用物品
・ウエス
・オイラー
作業
新品キャリパーを入れるためには、ピストンを押し戻すことになります。そのためブレーキフルードの液面が作業前よりも上昇する場面がありますので、フルードのこぼれ防止目的に、少しフルードを抜いておきます。
キャップを開けてて、オイラーを使用してフルードをある程度抜き取ります。
リザーバータンクが空になるほど抜いてしまうと、エアを咬み込む原因になりますから、まぁMinのところくらいまで抜いておきましょうか。
ホイールを外す
使用物品
・クロスレンチ
作業
続いてブレーキ側の作業に移っていきます。
もちろん作業効率にこだわらなければ、車載のL字レンチでも構いません。
19mmのレンチでホイールナットを緩めてから、ホイールを取り外します。
純正ホイールは意外と重いので、腰を痛めたりしないように十分気をつけてくださいね。
スライドピンを引き抜く
使用物品
・プライヤー
・ピンポンチ4mm
・ゴム/プラハンマー
作業
ブレーキパッドを固定しているスライドピンを1輪あたり2本づつ引き抜いていきます。
実際にはパッドを押さえている板バネをこのピンが押さえている形になっています。
そしてピンの抜け落ち防止のために、固定用のクリップがついていますので先にこちらをプライヤーなどを使用して抜き取ります。小さいので無くさないように注意が必要です!
クリップを外せばスライドピンは抜けるようになりますが、意外と板バネの影響や固着により、結構抜くのに手間取ることがあります。
このピンを打ち抜くのに、ピンポンチがあると快適だと思います。
ピンもクリップもきちんと無くさないように置いておきましょう。
ブレーキパッド/パッドシム取り出し
作業
2本のピンを抜いたら、パッドを固定しているものはありません。
ただし、ブレーキピストンがパッドに当たったままだと、意外とくっついて引き抜きにくいこともありますので、その場合は少しブレーキパッドごとピストンを押し戻す必要があります。
マイナスドライバなどでこじる方もいるようですが、ブレーキピストンのブーツなどを傷めないように気をつけたいですね。
ピストン戻し
使用物品
・ピストン戻し工具
作業
パッドが抜けたら新品パッドの挿入のために、ピストン戻し工具を用いて押し戻します。
並行を保ったまま、両側のピストンを押し戻すことができるツールです。
このあたりの工具は、個人的には素人がやるときこそ、ある程度は専用工具を使うべきだと考えています。
下手にドライバーなどで無理な力を加えて、壊してしまっては元も子もないですからね、、、
清掃/グリスアップ
使用物品
・パーツクリーナー
・ウエス
・グリス
作業
ここまできたら、この際ですので各部の清掃を行います。
パッド交換の間隔でしか見ない部位ですので、古いグリスやそれに伴う細かな汚れなどは、できる限りパーツクリーナー等で洗浄していきます。
気が済むまで古い油脂類を落としたら、今度は新しいブレーキ用グリスを塗布していきましょう。
塗り過ぎはかえって汚れの原因となりますし、薄く、均一に塗るように心がけましょう。
新品ブレーキパッド/シム挿入
使用物品
・新品パッド
・グリス
作業
ローターからキャリパーピストンに向けて
ローター→ブレーキパッド→グリス→シム→グリス→ピストン
と並ぶようにパッド/シムをグリスアップしながら装着していきます。
この際にローターとパッドの摩擦面にはグリスが付着しないように注意します。
スライドピン挿入
使用物品
・プラハンマー
・プライヤー
作業
取り外す前と同じ形になるように、スライドピンを挿入します。
スライドピンがきちんと板バネを押さえ、またブレーキパッドの穴も通るように気をつけながらスライドピンを挿し込んでいきます。
ピンが入ったら、忘れずに固定用クリップも差し込んでおきましょう。
ホイール装着
使用物品
・クロスレンチ
・トルクレンチ
作業
パッド・ピンをきちんと装着したら、ホイールを装着していきます。
5穴のホイールですので、星を描くように締めていきます。
手締め、クロスレンチで仮締め、トルクレンチで本締めとしましょう。
ジャッキダウン
作業
ウマを抜いてから、ジャッキダウンします。
周囲に気をつけながら、他のものを巻き込まないように十分注意し、ゆっくり降ろしましょう。
ブレーキフルード残量確認・ブレーキ作動確認
作業
ブレーキフルードの残量を確認し、適正量になるようにブレーキフルードを補充しておきます。
最後に駐車場内など人や車通りがないところで、少し前進・停止、少し後退・停止を繰り返して、ブレーキがきちんと効くことを確認します。
交換直後の一踏みでは、ピストンが押し戻されており、日常で行うような軽い踏力では驚くほどブレーキが効きません。
必ず通常走行に移る前に試し踏みでブレーキの感触を確かめるようにしましょう。
あとは後片付けをしたらおしまいです。
今回の個人的テーマ
まずは片押し式ではない対向式キャリパーのパッド交換というのが今回初めてですので、この部分の違いに気をつけたいと思います。
片押し式であれば、旧パッドの引き抜きに苦労することはあまりないと思うのですが、対向式はどうしてもその構造上、引き抜きの際にすこしピストンを押し戻さざるを得ないことが多い気がします。
旧車のキャリパーってわけでもないので、そこまでひどい固着はないと考えていますが、こういうちょっとした場面で各部を傷つけないように心がけたいと思います。
また、スライドピンの引き抜きに関して、やはり固着のことを考えると、ピンポンチがあると快適なのかなと個人的には思います。
他の整備工具がすでに揃っていたこともあり、今回ピンポンチを購入しました。
使用感などもレビュー記事にしていきたいと思います!
乞うご期待!