86のグレードについて
86のグレード選びに関しては、さまざまな考え方があると思います。
内装や細かなエクステリアに拘って上位グレードにするか、あるいはベースグレードを選択して、カスタム費用に回すか。いろんな考え方があると思います。
私の場合、GT limited high performance package(現在でいうBlack Packageに近い)を実際に86を購入し4年間使用した立場から、個人的な意見をまとめてみました。86購入を決めたが、どのグレードに使用か悩んでいる方にとって参考になれば嬉しいです(^ ^)
また、どんな方にどのようなグレードがおススメかもイメージできるように記事にしましたので、ぜひ読んでみてくださいね!
各グレード
2021年4月現在、86のグレード毎の主な違い・価格をMT車を例にみてみましょう。(価格はメーカー希望小売価格の税込表示)
・G(ベースグレード)/2,671,900
内容:オートエアコンなし、ファブリック(布)シート、ホイールは16インチ
前期ではRCという鉄ホイール・塗装なしバンパーのグレードが用意されていましたが、現在はGグレードが一番ベースグレードになります。
GT limitedとの価格差が約53万円もあります。これだけあれば最低限必要なオイルクーラー・追加メーター・ブレーキ強化(パッド・フルード)くらいは付けられるでしょうから、とにかくサーキット走行を楽しみたい!っていう人にとってはなかなか良い選択肢なのではないでしょうか。
ただし、シフトノブやステアリングの材質はウレタンや樹脂になり、本革を使用した上位グレードと比較すると、見た目のチープさは隠しきれません。この辺りをどう考えるかで方針が決まってくると思います。
ステアリングやシフトノブも、アフターパーツが豊富ですし、内装ドンガラを考えている人なら尚更必要ないでしょう。なのでカスタムベースとして考えると、なかなか良いグレードだと思います。
・GT(中間グレード)/3,037,100円
内容:左右独立設定オートエアコン、ファブリック(布)シート、17インチホイール
1つグレードアップすると、内装は大幅に見た目が良くなる印象です。
ぱっと見はGT Limitedと結構近似しており、シート表皮がこちらは布で、アルカンターラ(スエードレザー)ではないという点がメインでしょう。後はウイングが装着されない点ですかね。
シートにはそこまでこだわらない。とりあえずステアリングやシフトノブが革ならいいだろう。という場合に候補に上がってくるのではないでしょうか。なお、ウイングに関してもそもそも不要という人もいるでしょうし、TRDのトランクスポイラーや、後付けのGTウイングを装着するという手も考えられますね。
・GT リミテッド(上位グレード)/3,311,000円
内容:左右独立設定オートエアコン、アルカンターラシート、17インチホイール、リヤスポイラー、リヤフォグランプ
最上位グレードですね。シートも替えるつもりはないし、日常の快適性と高級感が最優先という方はやはりこのグレードを選択するのではないでしょうか。やはりアルカンターラの質感は良いですし、後期になって少し大型化されたリアウイングは個人的には前期のものより好みです。
ここまで上位グレードにすると、86の内装の質感はベースグレードとは比べ物にならないくらい上質です。少なくとも前席周囲のインテリアには個人的には大満足です。後席は欧州のクーペなどに比べればあまり威張れたものではありません。あまり高いデザイン製は感じません(笑)
さらに、アルカンターラという表皮はそもそも見た目が良いことだけではなく、滑りにくいという特性があります。もちろん着用している服の素材にもよると思いますが、通常のレザーはツルツルした生地だと滑りやすく姿勢がずれることが多いと思います。スエードレザーは多くの布地に対して心地よい摩擦感があるので、お尻がずれません。ですのでこの部分は単なる見た目だけでなく、機能的な利点もあるというのはポイントですね。
ですので、ハードチューニングをするつもりはなく、街乗りメインで高級感重視の方にとってはやはりこのグレードが有力になってくると思います。
・GT リミテッド ・Black Package(旧High performance package)/3,418,800円
左右独立設定オートエアコン、アルカンターラシート、17インチホイール、リヤスポイラー、リヤフォグランプ、ブレンボ製対向式ブレーキキャリパー(前4pot/後2pot)
現在はSACHS製のショックアブソーバーは全グレードオプション設定(55000円)の様ですね。(私の場合High performance packageには標準設定されていたみたいです。)
上記のGT Limitedに追加してブレンボ製対向式ブレーキキャリパー(赤)が装着されます。ホイールはGT limitedと径は同じ17インチですが、デザインが変わります。キャリパーとのクリアランス的に合わなかったんでしょうね。個人的にはこちらのシンプルな17インチホイールもかっこいいと思います。洗いやすいですし笑
内装に関してはGT limitedと同じものですので、基本的にはブレーキ・ホイールの変更でしょう。
カラードキャリパーを装着したいけど、アフターパーツでは適合やブレーキバランス的にどうなるのか不安!という方にとっては、メーカー純正で強化品が採用されているので、安心できますね。このキャリパーはいつ見ても良い感じで目立つので、満足度は高いものだと思います。
グレード差のイメージ
G→GT
・ホイールインチアップ(16→17インチ)、インパネがおしゃれになる(マニュアルエアコン→オートエアコン)
このグレード間には大きな差があると思います。そもそも想定する使い方にも明確な差があるように思いますね。
サーキットやチューニングの比重が大きい方はやはりベースグレードにしておくのがコスパがいいのではないでしょうか。個人的にはマニュアルエアコンのプラスチック感が気になりましたが、今はエアコンスイッチのリングの装飾なんかもたくさん出ていますから、色々工夫次第では良い内装が作れるんではないでしょうか。
GT→GT limited
・シートがおしゃれになる(布シート→スエード皮シート)、リアスポイラーが付く
比較的近い存在です。シートやリアスポへの考え方で決まってくる部分だと思います。
シートは交換する。ウイングは不要or後付けのGTウイング導入予定であれば、断然GTでしょう。
逆に内外装に手を入れるつもりはないという人は、GT limitedにしちゃった方がまとまり感はいいと思います。
GT limited→GT limited Black package
・ブレーキ強化(Brembo製対向式キャリパー)、ミラー・ホイール・リヤスポイラーの黒塗装
とにかく最上級グレードが良い!って人や、ブレーキの強化は最初から行われているモデルが良いっていう人はいいでしょう。特別仕様車のプレミア感というのもリセールバリュー等でプラスに働く可能性もあると思われますので、特別感にこだわりたいという方にはおすすめです。
このような感じで装備がアップグレードしていくみたいですね。
私のグレード選択
当時(2017年)はBlack packageではなく、High performance package(以降HPP)というグレードがありました。SACHS製ショックアブソーバーが標準装備で、ミラー・リアスポ・ホイールの黒塗装がなかったものです。現在のBlack packageに相当するグレードとして扱っていいと思いますが、このグレードを選択しました。
当時は高級志向で、インパネ・シートはどちらもファブリックより、アルカンターラ製は譲れないな〜って言うのがありました。ここはやっぱりかなり高級感に関わる所だと思ったので、当時は妥協できませんでした。
ただ、後からGTウイングはTRDのスワンネックGTウイングを装着したいと思ってたので、そう言う意味ではリアスポイラーが装着されていないGTグレードを選ぶかどうかはちょっと悩みました。結局、アルカンターラシートが譲れなくて、GT limited以上のグレードにしました。
そしてHPPにした一番の決め手はやっぱりブレンボのキャリパーですよね!
これらに関しては今でも本当に満足しています。
性能・見た目ともに満足のいくものですし、車好き同士で話をする際も、やはり「これブレンボ?」と聞かれることは少なくありません。当然、私のレベルでは、通常の片押しキャリパーで性能は十分でしょうけど、ホイールから覗く赤いキャリパーとにかくカッコイイ。ですのであえて欲を言えば、GT limited HPPで、リアスポイラーだけは非装着の状態で買うことができれば文句なしだったんですが、そんなことはできませんので、、、(笑)
これらの理由で僕は、GT limited HPPを選びました。
4年乗ってみての感想:良い点
やはりブレーキ!
当然、私のレベルでは、通常の片押しキャリパーで性能は十分でしょうけど、ホイールから覗く赤いキャリパーとにかくカッコイイ。
大型キャリパーの利点である、熱容量に関しては、そこまで酷使することも無いため、あまり偉そうなことは言えませんが、やはり制動力のコントロール性に関しては、はっきりと違いがわかります。
踏力に対してリニアにコントロールできている感じが凄いです。初期制動から踏んだ分だけ制動力が立ち上がり、しっかり速度を落としてくれます。そこからターンインに向けてブレーキをリリースしていく際にもかなり微調整が効くので、非常にクセのないブレーキタッチで、多くの人にとって扱いやすいブレーキのように思います。
片押しのキャリパーの車に乗ると、はっきりと違います。
性能・見た目ともに満足のいくものですし、車好き同士で話をする際も、やはり「これブレンボ?」と聞かれることは少なくありません。
もちろんターボ装着やハイグリップタイヤ装着をするようになればもしかすると容量不足となる可能性があるかもしれませんが、少なくともNAチューンの範囲でブレーキが悲鳴を上げることはないでしょう。ライトチューン派にとってはバッチリのブレーキです。
SACHS製ショックアブソーバー(現在はオプション選択)
これはいいですね。そして純正形状ということもあり、適度にソフトな乗り味を持ちつつ、しっかりとコーナーでの粘りもあります。
HKSの車高調を入れていたこともありましたが、元のSACHS製のフィーリングのほうが好みでしたので、結局HKSの車高調は手放して、現在は純正SACHS+SPOONのリジカラという組み合わせに落ち着いています。
あと、やはり社外品に比べて、純正ダンパーって長く使えると思うんです。
これに関してはあくまでも感想ですが、社外品は2〜3年、純正は5〜6年持つっていうイメージがあります。それ以上はやはりオーバーホールとかが必要になって来ますし、永く乗ろうと思っている私としては、この耐久性は重要ですね!
TFTインフォメーションモニター
メーター表示ができるんですけど、サーキット走行とかする人には地味にありがたいですよね。
水温・油温・電圧表示ができます。ご存知の人も多いかもしれませんが、サーキット走行すると、86は油温がかなり厳しいです。
私の場合、秋にオートポリスを1−2周走っただけで油温が120℃まで上がりました。
(なので現在オイルクーラー導入をしました。)
油温計も後付でつけるとなると数万かかりますし、これがすでに表示されるって結構ありがたいです。
電圧もバッテリー見るのに必要ですしね♪
アルカンターラ内装・シート表皮
こちらは思ったよりも良かったです。外観上の高級感はイメージ通りで、ライトウエイトスポーツカーではありますが、決して安物スポーツカーという印象は受けません。内装はいつも目にする部分ですので、この部分に満足感が高いのはとても費用対効果が高いと思います。そして、スエードレザーというのは、先にも記載した通り、布地の服との間に適度な摩擦感がありますので、座面から身体がずれることが非常に少ないです。
シート形状はバケットシートほどのホールド製はありませんが、多少のサイドサポートがありますし、これにスエードレザーの摩擦が加わっているので、ワインディングスピードではとても快適に走れます。
当初はいつかRECAROなどのバケットシート導入も考えていたんですが、今はこのシートをとても気に入っていますので、シートはしばらくこのままで乗り続けるつもりです。
見た目的にも機能的にも満足のいくシートですので、この点は重要ポイントですね!
気になる点
高い。。。。。
わかっていたことですけど、ベースグレード(G)と比較して、70万円くらい高いです(笑)
70万あったら正直結構なチューニングできますよね。
ブレーキはパット交換だけで結構満足だし、ホイールとかサスはたぶん社外品に変えようと思っている人なんかは、正直こっちのほうがコスパいいんでしょうね。。
私も結局は一部を社外品に変えてますし、、、その分はやっぱりロスでした(^^:)
もちろん上位グレードにしかない装備品は非常に満足度が高いものが多いので、後悔はありませんが、予算にあまり余裕がない場合はちょっと贅沢すぎるグレードなのかもしれませんね。
Brembo製ブレーキパッド(これも高い)
先ほど褒めちぎったブレンボ製キャリパーですが、このキャリパーの純正ブレーキパッド、いくらだと思います?
10万円ですよ!高いですね〜びっくりしました。これは正直維持費という点でデメリットと思いましたね。。
まぁ、GT-Rとかのカーボンセラミックブレーキなんかはこんなもんじゃないでしょうし、あまり情けないことは言ってられないんですが、この車格にしてはやはりコストがかかる部分になってしまいますね、、、
※注 いまはプロμさんとかから適合パッド出てますので、純正に拘らなければ半分くらいの値段でパッド交換はできそうです笑
リアスポイラー
GT limited・GT limited HPPに装着されるリヤスポイラーは、前期がトランクに直接乗る様な形状だったのに対して、koukiから、ステーのあるウイング型へと変更されました。これ自体はより好みの形状だったんですが、僕としては、やはりGTウイングへの憧れがあったので、最終的にはTRDのスワンネックGTウイングへ変更することにしました。
純正のリヤスポイラーの取り付け穴位置と、GTウイングの取り付け穴位置が違うので、TRDのリヤトランクスポイラーを装着して、穴を隠すようにしています(^^;)
そこまで目立たなくなったんですが、近くで見ると、少し穴が見えちゃいます笑
TFTモニターの表示
こちらもさっき褒めたTFTモニターですが、一点残念なところ。
油温表示の目盛りが荒いんです笑
油温って110℃〜120℃付近でやはり注意が必要になってくると思うんですけど、この領域の数字がざっくりしてるんです!サーキット走るときなんかは、モニター注視は出来ないじゃないですか。なのでこのへんはもう少し見やすいと親切だなーと思うのが、正直な感想です。
まとめ
ブレンボにこだわるのなら、HPPはかなり満足度の高い仕様だと思います!
一方で、GやGTなどのグレードにして、少しずつ好みの仕様にカスタマイズしていくのも楽しいと思います。
今は、ENDLESSやプロジェクトμ、アクレなど、各社からブレーキキャリパーも出てますし、カスタム市場はかなり出揃ってきているみたいですしね。
でも、個人的にはHPPを選んだことに満足しています!
ただし、あえて言うのであれば、リアスポイラーを付け替えることが決まっていたのであれば、GTを買った方が、トランクは綺麗にできたのかな〜と思います。その分の差額があれば、ウイング装着の予算にもできましたし、シートがファブリック(布)なのが気になれば、後からRECAROとかのセミバケットシートに替えるということも出来ましたしね。
はっきり言ってこの当時就職したばっかりで、お金使いたい欲求が結構強くて、高級志向だったので、一番いいグレードにしたって言うのが正直なところかもしれません(笑)
どのグレードを選んでも、86は楽しいクルマってことだけは自信を持って言えます!
この記事がこれから86を買おうと思っている方の少しでも参考になれば嬉しいです。
質問等ある場合は、お気軽にお問合わせから連絡くださいね♪